小さき兄弟会総集会
ポルチウンクラ
 
(サンタ・マリア・デリ・アンジェリ)
2003・05・25−2003・06・21
(日本語版)

総長報告
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2003年 アシジ総集会

 

 総長 兄弟ジャコモ・ビニ

兄弟の皆様
主が皆様に平和をお与えくださいますように。

 私たちをここに招集してくださり、私たちの知性を照らし、心を暖めてくださる聖霊によって私たちを助けてくださった主に感謝して、総会を始めましょう。

 この兄弟の集まりにようこそおいでくださいました。この集まりは私たちのアイデンティティーの明らかなしるしです。また、それは意味あるものとなり、「目に見える形」をとって、世界のニーズに応えるようにと呼びかけているしるしなのです。この集まりにおいて、教会および希望に餓えている世界における私たちの生き方を反省し計画すべく、皆で一緒に具体的な案を出してゆくことになるでしょう。

 兄弟の皆様、私たちは全員が共同で、世界に対して、教会に対して多大な責任を負っています。また、聖フランシスコ以来、知性と熱意をもって時のしるしに応えてきた多くの兄弟たちに対しても責任を負っています。

 私たちは「自分の天幕に場所を広く取る」(イザヤ書54:2参照)ように招かれています。すなわち、私たちは自分の損得や地域の利害を超えて、ここでの何日かの間は、私たちの知性と心の広がりの奥行きをさらに広げるようにと招かれているのです。私たちは一つになった家族として、自分たちが抱いている希望について現代の人々に証しするように求められています。

 私たちが生きているこの時代は、恵みの時であり、チャンスと刺激とチャレンジに満ちています。後戻りしてはいけません。自分が何をやっているかを振り返り、イエスより世界へと遣わされた使徒としての生活を評価するように招かれています。私たちの文化の中にふんだんにありながらも、しばしば隠されている新しい命の芽生えを知性を持って識別するために、私たちは特に遣わされました。それは、そうした芽生えを聖霊の息吹によって成長させるためです。危機的な状況下にある私たちは、ともすると引きこもりがちになったり、無関心になったり、平凡でマンネリ化した生活に浸ってしまったりしがちです。

 より普遍的でカリスマ的な方向に勇気をもって進むならば、個人主義や緊急事態の問題処理の悩みを乗り越えることができるでしょう。その悩みのために、私たちは最も重要なことを見落とし、歴史から取り残される危険があります。それは私たちの未来を決定的に損ないかねない危険なのです。

 この集まりにおいて話し合うことになっている構造改革は、私たちの内面改革の奇跡を自動的に起こしてくれるわけではありませんが、それを促すためには役立つでしょう。

 兄弟の皆様、私たちは非常に重要な歴史の一頁を書くために、聖フランシスコにとってとても大切であったここポルチウンクラに集められました。この一頁は極めて重要で、明日では遅すぎるかもしれないのです。

 総理事たちも私自身も、各管区の兄弟たちと共にこの総会の準備をしてこられた皆様に感謝申し上げます。私は皆様がご自分の代表しておられる管区の兄弟たちとの対話と反省の結果を携えてここにお集まりくださったことを承知しております。

 私は本会議の準備期間中、私たちを導いてくれた祈りの精神に感謝すると同時に、クララ会と在世会の多くの兄弟姉妹の親密なご支援に感謝いたします。

 本会議の円滑で実り豊かな運営のために働いてくださっているすべての方々に、兄弟として心から感謝申し上げます。

 主に愛されている兄弟の皆様。皆様が自らに委ねられた務めを平静な心と奉仕の精神をもって果たされますよう祈念して、ここに総会の開会を宣言いたします。

2003年5月26日