アーモンド満開

3月3日

アンジェロ 春山 勝美 神父
Fr.Angelo Haruyama Katsumi, OFM
haruyama@netvision.net.il

このところ、めっきりと春らしくなりました。先月初め、早咲きのアーモンドが花をつけました。しかしその後、寒の戻りがあり、やっと満開となりました。アップで写真を撮り、用事を済ませての帰り道、花に惹かれた巡礼者たちと出会いました。(写真:アーモンド満開:花見)

ところでこのニ三週間、キリスト復活大聖堂は多くの巡礼団で賑わっています。ポーランドでは学校の冬休みは2月です。学校から開放される神父様たちはこの時期、巡礼団の先達となるのです。今年も多くの巡礼団がありました。

フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、ヨーロッパカトリック国からの巡礼団が目に付くようになりました。そして、合衆国からも。数年ぶりに、同僚の神父様が巡礼団を引率して来ました。うれしい再会でした。アメリカ政府は同国人に危険情報を出し、イスラエルへの渡航に注意を呼びかけていたのです。

韓国からの巡礼団も多いです。82歳となった同僚に神父様が、2月半ば、これから連続して四つの巡礼団のガイドをするといっていました。韓国からは、この時期、数千人が来るとのことです。大半はプロテスタントだそうです。

大聖堂では午前5時から30分毎に5回、8時からは1時間毎に4回、午後5時からは1時間毎に2回、二つの祭壇に空きがありません。私たちは、自分のミサのため、祭壇を確保するのに苦慮しています。巡礼者が多いことはうれしいことですが。

ギリシャエルサレム総大主教区の内紛はまだ解決していません。総大主教が二人います。先の総大主教はヤッホ門近くの二つホテルをイスラエル人に売却したことでアラブ人信者の怒りを買い、シノドスで罷免されました。そして、シノドスは新しく総大主教を選びました。ヨルダン政府とパレステイナ暫定政府は、直ちに、選出された総大主教を承認しましたが、イスラエル政府は、まだ、承認していません。

2月半ば、旧総大主教側が占拠し、引き渡さないチャペルに新総大主教側が入ろうとしたら、警護のイスラエル警官隊に排斥されました。とき外れに弔鐘がなったので事件を知りました。そして、二三日前のニュースでは、イスラエル政府は新総大主教にはVIP特権を与えず、ビザの更新もしないとのことです。ビザが切れれば、国外退去を余儀なくされます。

ローマ教会にも、対立教皇の事例があり、また、教皇選出に政治権力の介入がありました。ローマ教会の絶対自律確保(教皇選出等)のためには、聖霊の加護と先人たちの不屈の努力があったことが思い出されます。

さて、先の選挙で勝利したハマスは組閣を始めています。ハマスの指導者は、相変わらず、「イスラエルの占領地からの撤退」と「難民の無条件帰還」がイスラエル承認不可欠の条件と主張しています。それに、ガザからはカッサムロケットをイスラエルに打ち込み、イスラエルは空爆で応酬しています。

四旬節となりました。キリスト復活大聖堂ではラテンエルサレム総大司教を迎え、復活祭準備の典礼が始まります。「主の平和」がこの聖地に実現しますように、心して祭儀に与ります。そして、全世界に、主の復活を称えて「アレルヤ」と叫びたいです。