主の降誕を心からお祝い申しあげます

12月21日

アンジェロ 春山 勝美 神父
Fr.Angelo Haruyama Katsumi, OFM
haruyama@netvision.net.il

主はこの山で…死を永久に滅ぼしてくださる。主なる神は、すべての顔から涙を拭い…その日には、人は言う。見よ、この方こそ私たちの神。わたしたちは待ち望んでいた。この方がわたしたちを救ってくださる。(イザヤ25.7−9)

今年で八年目になります。神の恵み、皆様のご厚意に支えられ、元気に奉仕の務めを果たしています。ありがたいことです。

   今年三月、イラク戦争直前、日本政府は在留邦人に退避を勧告しましたが、フランシスコ会は、長いイスラム支配のもと、あまたの殉教者をだし、追放されれば、帰還の許しを得て戻り、「聖地」を守り通してきました。この度は、私たちが迫害されるわけではありません。巻き添えの危険があるからとの理由です。これでは「退避する」ことは出来ませんでした。確かに、フセインは、戦争になれば、大量破壊兵器でイスラエルを攻撃するし、エルサレムも攻撃誕生の場所目標との噂が隅々に行きわたっていました。

開戦の数日前、エルサレム旧市街のアラブ人学校も休校になりました。私たちにも防毒マスクセットを購入するようにと管区長からの指示がありました。幸いに、当地は被害を受けることなく、戦争は終わりました。しかし、戦争の口実となった大量破壊兵器は、未だ、発見されていません。

   先月末、イラク復興支援に従事していた日本の外交官がテロに逢い、死亡しました。待ち伏せしていての銃撃か、走行中の車を使っての銃撃か特定できていないようです飼葉桶が、この種のテロと自爆テロはパレステイナテロリストが多用している手段です。すでに三年、私たちはなれたと言えばなれましたが、巻き添えの危険が無くなったわけではありません。

   今月7日、在イスラエル大使館の友人に乞われて、ベトレヘム生誕教会を案内しました。友人は着任以来、ベトレヘム巡礼を心に掛けていましたが、大使館が邦人に滞在注意を呼びかけている手前、私が勧めても応じませんでした。最近、情勢が安定していると見てこの機会にと決意したようでした。その二日後です。ヘブロン街道バイパスで、「待ち伏せ」があり、イスラエル人が死亡しまベトレヘムのバジリカした。犯人はベトレヘムに逃げ込んだとのことで、イスラエル軍はベトレヘムを封鎖しました。この度はベトレヘムのパレステイナ警察が犯人を逮捕したので、大事にいたらず、イスラエル軍は封鎖を解きました。

   クリスマスまではまだ数日あります。この間なにが起きるか分かりませんが、ベトレヘム生誕教会でのクリスマスミサは予定されています。ただ、ベトレヘム市当局のクリスマス祝賀行事は今年も取り止めが決定されました。

   人々が待ち望んでいた「神」が人となりました。幼子を聖母と共にはぐくみ育て、救いの恵みを、まず、自分のものとし、救いの喜びを身近な人に輝かせたいものです。
                           
写真説明
「誕生の場所」:誕生の場所には星の形で表してあります。野原
「飼葉桶」: 神の子の寝床。人となった神は飼葉桶に寝かされたとあります。
「ベトレヘムのバジリカ」:誕生の洞窟の上に建つ大聖堂。昨年、イスラム教徒に占拠されたました。イスラム教徒が去った後、大聖堂を管理するギリシャ正教、アルメニア正教は聖堂が汚されたとし、新たに祝別しました。その翌日の大聖堂。
「野原」:1月から5月ごろまで、ベトレヘムには草が茂り、花が咲き乱れます。