ワールドカップ

6月11日

アンジェロ 春山 勝美 神父
Fr.Angelo Haruyama Katsumi, OFM
haruyama@netvision.net.il

日のベルギー戦を引き分け、9日のロシア戦では待望の一勝をあげ、サッカーフアンならずとも、燃えあがる今日この頃です。

さて、当聖墳墓修道院も例外ではありません。まず、修道士たちの出身国を見てください。食堂での私の席から右回りに、まず、日本、シリア、アイルランド、アメリカ、ガーナ、ポーランド、イタリア、ポーランド、ガーナ、イタリアですが、今回、出場できなかった国はシリアとガーナです。このガーナ人の副院長がスポーツプログラムのプロモターですから、ほぼ全員が試合の成り行きに関心を持っています。

10日の夕食時、ポーランド ー ポルトガル戦の結果、0:4が話題となり、誰言うともなく、これは聖母巡礼地の優劣で、ポーランドの「チェウストラホヴァ」よりポルトガルの「ファテイマ」の勝ちと、堅物のポーランド人をからかいだしました。そこで、思い出してみると、大会出場国には世界的に有名な聖母巡礼地があります。まず、フランスの「ルルド」、イタリアの「ロレット」、クロワチアの「メジュゴリエ」、メキシコの「ガタルペ」・・・・・おお、あわれみ深い聖母、修道士たちの戯れをお許しください。

さて、7時間の時差は神の恵みです。ほとんどの試合が、昼前後の自由時間帯に当たるからです。ただ、画像のいい衛星放送では見ることが出来ません。しかし、ヨルダンからのローカル放送がライブで流してくれるので、ただ今はヨルダン様様です。

それに、イスラエルも負けてはいません。私がよく引用する、Ha'aretzは4日のベルギー戦の成り行きを速報で伝えていました。まず、ベルギー1:0でリード。ベルギー1:2と逆転される。そして、2:2でドロー。また、10日のJerusalem Postでは、日本、ロシアを1:0で破る、との見出しで、モスコワのフアンが自動車を焼き討ちしている騒ぎを大きなカラー写真で伝えていました。同じ新聞の政治面では、日本、中東和平構築に幅広い役割を探す、との見出しで、ペレス外相が川口外務大臣を迎える写真がありました。これはモノクロでした。

ギリシャの若い修道士もサッカーフアンです。ギリシャが今回、出場できなかったことを残念がっていましたが、次回は、と期待しています。

彼のひいきはスペインとアルゼンチンです。優勝候補のアルゼンチンがイングランドに負けたときは悔しそうでした。彼は日本の善戦を称えてくれています。最近、ギリシャ修道院にアトス山修道院から修道士2人が来ました。威厳ただよう修道士です。ことばは通じませんが、挨拶は交わしています。数日前、若い修道士に尋ねました。アトスから来た修道士たちとサッカーの話をするのかと。彼らは世俗のことに興味を持っていないとの返事がありました。

キリスト復活大聖堂前の広場にも、サッカーフアンであふれています。イスラエル警官が日本は強い、と言えば、アラブの住民は日本はロシアを破ったと教えてくれます。

さて、サッカーゲームの勝ち負けで、死者が出る世相ですが、当地では意図的に人を殺す罪悪が跡を絶ちません。愛する人を失った悲しみはイスラエル人もパレステイナ人も同じです。BBCがその映像を伝えていました。

http://news.bbc.co.uk/hi/english/world/middle_east/newsid_2034000/2034766.stm
Sunday, 9 June, 2002, 15:30 GMT 16:30 UK 
In pictures: Middle East mourning