共存(Coexistence)

月3日

アンジェロ 春山 勝美 神父
Fr.Angelo Haruyama Katsumi, OFM
haruyama@netvision.net.il

共存(Coexistence)

まだ、キリスト復活大聖堂は人少なく、静かです。土曜日はイスラエルのサッバト(安息日)で、ルーマニアからの出稼ぎ労働者でにぎわいます。

イスラエル政府は暴力行為が治まらなければ話し合いに応じないと言っています。他方、パレステイナ側はイスラエルが占領地から撤退するまで闘争を続けると宣言しています。

パレステイナ側で4ヶ月の嬰児が砲撃の巻き添えになって死亡した直後、イスラエルの14歳の子供二人が体を縛られ、頭を石でつぶされる惨殺体で見つかりました。ネタニャのショッピングセンターで神風テロ(自爆テロ)で多くの死傷者が出ると、戦闘爆撃機を出して、西岸のナブルス警察本部をテロの作戦本部と断定して、破壊しました。

煽りで、エルサレム新市街は自動車に仕掛けた爆弾の相次ぐ爆発で、安全とは言えなくなりました。駐車してある車のわきを通る時は緊張します。イスラエルのシャロン首相は数日前、国際世論に押されてか、過激な攻撃は控えると宣言しました。しかし、日本でも報道されているように、パレステイナのやみ討ち、辻斬り、爆弾テロに復讐を叫ぶイスラエル国民をいつまで押さえる事が出来るか。

5月27日付けのカトリック新聞に「パレステイナで抗議の鐘が鳴る」との記事がありました。5月15日、アラブ人にとっては「ナクバ(大破局)」イスラエル側アラブとパレステイナ側アラブの民族分断の日とありました。しかしこの同じ日がユダヤ人にとっては2000年来の悲願、自分たちの国を持つ事が出来た日です。歴史の歯車は戻りませんけど、この時、アラブ人がイスラエルとの共存を受け入れてくれたら。

最近、エルサレム旧市街への主要な城門、ジャッファゲイトに向かう城壁沿いに「共存」を呼びかけるパネルが並びました(写真:coexist)。日本人の作品もあります。(写真:coejan)

お互いの憎しみが解消するには100年、1000年が必要かと思います。だから、毎日、神のあわれみを願っています。そして、パレステイナ人とイスラエル人の間ばかりでなく、地上に住むすべての人が憎しみの「隔たり」を取り除き、神のみ前で、兄弟として共に生きる事が出来るように祈っています。(写真:ischrms)