エルサレムに春の訪れ

2月16日

アンジェロ 春山 勝美 神父
Fr.Angelo Haruyama Katsumi, OFM
haruyama@netvision.net.il

立春が過ぎて、日が延びました。毎日、同じ時間、本部修道院に郵便物を取りに行きます。ふと気付くと、電気を点けずに廊下を歩いていました。もしかするとと思い、翌日、日の当る城外に出てみました。梅や桜に似た花木が花をつけていました。

春一番木の名を知りませんが、時がくると、花を咲かせ、葉を出し、成長し、そして、葉を落として休眠にします。何年繰り返したのだろう。神の定めを守り、見出す人に春を告げ、宿る人に木陰を作りながら生き長らえています。
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このところ、新聞に気になる記事が載るようになりました。アラファト率いるパレステイナ暫定自治政府が崩壊するのではないかと言うものです。イスラエルの道路封鎖で物流が止まり、パレステイナ経済活動が大打撃を受けているばかりでなく、この道路封鎖でイスラエルへの通勤が不可能とり、収入の道も閉ざされています。国連パレステイナ経済問題担当の機関では、既に昨年からこの問題を取り上げ、世界に訴えてきましたが、改善されるどころか、ますます悪くなってきました。パレステイナ経済活性のためには道路封鎖解除が絶対不可欠な条件なのですが、14日には大型バス突っ込みテロが起きました。このテロは14日朝、ガザ地区からイスラエルの仕事場へパレステイナ人を運んだ後、パレステイナ人が運転する大型バスが、バス停でバス待ちしていたイスラエル兵士や市民の中に突っ込み、8人を殺し、23人に重軽傷を負わせたものでした。この事件の直後、人権問題で調査にきていた国連の職員が、ケースにおいては、イスラエルが安全のため道路封鎖することを認めざるを得ないと発言していました。道路封鎖解除は、また、遠のきました。

今日(16日)の「ハアレツ」では、パレステイナ暫定自治政府崩壊の要因となりうるものとして、政府職員への給料不払い、犯罪の横行、食糧補給の停滞を挙げていました。

このような事態になりませんように。
(写真:春山勝美 無断使用をお断りします)