フランシスコとクララ−二つの生涯・同じ召命
2003年は聖クララの帰天750年記念の年です。そして10月4日は熾父聖フランシスコの祝い日です。アシジのフランシスコとクララという二つの名前、二つの歴史、二つの伝記、そして二つの分かちがたい生涯があります。二人は若き日にも隣人として一つであり、特に後には深い友情と主イエス・キリストの聖福音を生きるという同じ召命によって結ばれていました。
フランシスコはクララにとって「父であり創立者」(クララの遺訓48参照)であり、「援助者であり師であり」(同上4)、「栽培者」(同上48)でした。クララはフランシスコにとって、ただ「小さい苗木」であるだけでなく(クララの祝福6)、又フランシスコの最初にして最大の弟子であるだけでもなく、フランシスコが宣教するか隠遁するかの選択をする時には祈りを頼んだ人、闇の日々には光り、弱さの時の力でもありました。なぜなら祝せられたフランシスコの帰天後に起こった本会の最初の危機に、クララは最初の兄弟たちを支援したからです。フランシスコとクララはキリストにおいて出会い、十字架につけられたイエスと貧しい人々に従うために神が召し出された小道を助け合いつつ探し求めた二つの存在です。
フランシスコとクララは同じ召命を受け同じ価値観を持ち、聖福音を二つの相補い合う生き方で生きました。主がフランシスコに「聖福音の教えに従って生活すべき」(フランシスコの遺言14)ことを啓示され、クララに「償いをなすよう」(クララの遺訓24)啓示されたその時から、一方は他方を知るために不可欠となり、二つの名前は分かちがたいものとなりました。
「兄弟たちとこれらの貧しき婦人たちをこの世から導き出したのは同一の霊である」(第二チェラノ204)。フランシスコとクララの召命を現代の世界に受肉させるために、私たちが一つの家族だという一体感を持つ事、主に向かう歩みを元気づけ速める信仰体験を互いに伝え合う事、助け合い支えあって私たちの「道」となられる(遺訓5参照)主の足跡に従う事・・・それこそが、私たちの書き記す分として与えられたこの時代の歴史の中で、すべての小さき兄弟とクララの姉妹がなすべき大きな挑戦とコミットメントです(兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョ、2003年9月8日)。
クララ会へ教皇のメッセージ
アシジの聖クララの帰天750年記念に際し、教皇は世界中のクララ会姉妹たちにメッセージを送られました。全文は聖座ウェブサイト(http://www.vatican.va)で閲覧できます。以下はその一部です。
クララは皆様一人一人に、プラハのアグネスに残した言葉を宛てています。「心の限りその子羊につき従うために、その聖なる命の分け前にあずかる人は本当に幸せです。この子羊の美しさを、幸いな天使の群れは絶え間なく感嘆します」(プラハのアグネスへの第四の手紙9-10)。
この記念祭は皆様の召命、クララ会姉妹としての固有のカリスマを内省する機会を与えてくれます。そのカリスマとは、まず、決定的にキリストに依り、唯一にして真の生活綱領である聖福音に従って生きるという召し出しを特徴とします。
それは現代世界の不満と浅薄さに代わる新しい提案です。現代世界はまさにそのアイデンティティを喪失してしまったかに見えます。なぜなら世界は、それが神の愛により創造され、神が永遠の交わりの中で待たれているという事をもはや自覚していないからです。
親愛なるクララ会姉妹の皆様、皆様は聖霊の浄配であり完全な女性である聖母マリアがおとめにして御子を宿された神秘を新たにされ、霊的婚姻という事で主の弟子であることを成就されています。聖性に対する新たなコミットメントを求められて、聖クララは同時に聖性の教えの模範を与えています。それは絶え間ない祈りによって養われます。そして、聖福音の真髄に従って人の全人格と精神と心と行いを変革なさる主の聖霊に向かって心を広く開き、神の御顔の観想者となるよう導くものです・・・。祈りによって強められた私の心からの望みは、皆様の修道院が霊性と祈りを求めてやまないこの現代世界に対して、愛に満ちた救いの神の現存を照らし出す事により、唯一にして三位一体の神の完全でまことの体験という大きく重い提案をし続けてくださることです(ヨハネ・パウロ二世、2003年8月9日)。
アシジへ歩く、第23回フランシスカン・マーチ−イタリア
「さらなる愛」というスローガンの下、第23回フランシスカン・マーチが7月25日から8月4日まで行なわれました。このイニシアティブは1980年に誕生し、イタリア小さき兄弟会「召命の司牧的配慮」担当者たちによって企画実行されました。
今年は約1,700人の若者たちが参加しました。イタリアからのたくさんの行進者に、スペイン・ポルトガルから250人、クロアチアから240人、オーストリアから約30人の若者が合流しました。様々のフランシスカン修道会から多数の若い兄弟姉妹たちが参加しました。
天使の聖母聖堂で行われたゆるしの祝日の際には、新総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョと三人の総理事、それにイタリア召命の司牧的配慮担当コーディネーターの兄弟フランチェスコ・パットンが、若い巡礼者たちを出迎えました。総長の挨拶と励ましに続いて、行進者たちは免償を受けるため沈黙の内にポルチウンクラに入りました。
若者たちは8月3日、クララが天に召されて750年目のこの記念に際して、「最初の小さい苗木」のカリスマが実際にいかに最新で現代に通用しているかを知りたいと願って、聖クララのサンタ・キアラ修道院の姉妹たちに会いました。
企画者の概算によると、過去23年間にフランシスカン・マーチに参加した若者たちの総数は40,000人を超えたとのことです。
日本から兄弟アルフォンソ・プポが参加しました。
写真と記事は アルバムのアシジマーチを見て下さい。
「アシジのクララ、賛美の歌」がイメージ(絵)に−イタリア
聖クララ帰天750年を記念して行われた数多くのイニシアティブの中から、レッチェ(イタリア)小さき兄弟会で「サレント・フランチェスカノ」誌の編集長を務める兄弟アントニオ・フェッブラロのイニシアティブを紹介します。同兄弟は、有能な宗教芸術家の信者夫妻と共に兄弟ジャコモ・ビニの記した「アシジのクララ、賛美の歌」を研究し、それを「絵に移し変え」ました。
その結果が、レッチェ聖母被昇天管区の広報2003年10月号付録のポスターとなりました。図柄は以下のようです:
クララの頭文字である大きく見事に美しく描かれた「C」の字の中に、コラージュが施されています。コラージュはメッセージを伝える小画で、全てのものへの賛美と感謝の典礼につながっています。
最前面には純粋色の強烈な色彩で、貧しいキリストへの奉献を決意した若き日のクララと、その背後に立ち、夜の闇に灯火の下ポルチウンクラの小聖堂で兄弟たちと共にクララを迎えるフランシスコが描かれています。
最上部には神の御手が祝いのイベントを導き、すべてのイベントが神の御手の中で一致して行われます。最上部近くに配された三つの要素には、奉献と生活様式の統合があります:すなわち、クララはフランシスコとその仲間たちの見守る中、聖母の腕の中のおさなごイエスから婚礼の指輪を受けています。
クララとその姉妹たちは祈りの内に「とどまり」ます。
フランシスコとその兄弟たちは世界中を「さすらい」ます。
絵のメッセージはこんなふうに要約できるでしょう:「主と『共に』ありたい、そして人々の『中にゆき』たいという師の願いは、『様々の形態の行動を通して』一体となって生かされます」。
ポスターご希望の方は、小さき兄弟会「サレント・フランチェスカノ」誌宛にご連絡下さい:Salent Francescano, via Imperatore Adriano 79, 73100 Lecce, (Italia). Email:afebbraro@tiscalinet.it
第28回SFO全国集会−ブラジル
ブラジル在世フランシスコ会(SFO)全国集会が、2003年7月17日から20日までレシフェで開催されました。
総補佐の兄弟イヴァン・マティックの出席のもと、在世フランシスコ会の会長エンカルナシオン・デル・ポゾ氏が議長を務め、ホセ・カルロス・アンドラデ氏が新しい全国会長に選出されました。
SFOとフランシスカン・ユースの全国補佐と地区補佐も集会に参加しました。
ブラジルでは2万人以上の在世フランシスカンがいて582の兄弟共同体に所属しており、4千人以上の若者がフランシスカン・ユースに入っています。
集会前の7月12日から16日まで、兄弟イヴァン・マティックはリオデジャネイロに案内されてSFOとフランシスカン・ユースの兄弟姉妹たちに会い、「リオデジャネイロ回心の聖フランシスコ」共同体の社会福祉事業を視察訪問しました。
その後、兄弟イヴァンは在世フランシスカンの姉妹コニーに伴われてペトロポリスに行き、フランシスカン・センターやブラジル・フランシスカン家族、ブラジル「無原罪の御宿り」管区のフランシスカン神学研究所、イエスの聖心修道院、それに出版編集修道院「ヴォゼス」を訪問しました。
いのちの水 −「姉妹なる水」を守るために− 小冊子
ヨハネ・パウロ二世は1990年の世界平和記念日に向けたメッセージで、「特にキリスト教徒は、自然と被造物に対する責務がその信仰の主要部分をなす事を自覚しています」と述べました。又、2003年3月京都で開かれた「世界水資源フォーラム」でヴァチカンは水の権利を力強く力説しました。この新たに作り出された創造主のイメージに注目した「養成と教育のための補助資料」を、現在提供中です。そのイメージを通して修道者は水の尊い恵みへの感謝と心配りを表すことができるでしょう。
「いのちの水!」は、私たちの兄弟フランシスコ・オコネルOFMが協力しているJPIC(「正義と平和・被造物の統合」委員会)担当者エコロジー作業部会によって立案されました。
この補助資料は下記ウェブサイトにて、ワード又はPDFフォーマットで各国語版が入手できます:http://www.ofm-jpic.org/aqua/ 日本語版は「おしらせ」参照
総本部の人事
「フラテルニタス」は本会への従順な奉仕に召し出された新任の皆様を歓迎致しそのお仕事に神の祝福をお祈りします。
リカルド・マルティニェッティ及び諸担当局で働く兄弟たち。
総長個人秘書の兄弟ベンジャミン・ソト・フォレロと兄弟ステファノ・レッキア。
聖座総代理の兄弟ヴァレンティノ・メネガッティ(書記)。
福音宣教総事務局の兄弟ネスター・イナシオ・シュウェルツ(総書記)と兄弟ヴィンチェンゾ・ブロカネッリ(福音宣教モデレーター)。
養成と学問総事務局の兄弟マッシモ・フサレッリ(総書記)と兄弟アロイジ・ワロット(副書記)、兄弟ジョン・ライト(補佐)。
総会計の兄弟ジャンカルロ・ラティ(会計)と兄弟ガブリエル・ガルシア(副会計)。
その他の担当局:記録保管庫・図書館長の兄弟ペドロ・ジル。コミュニケーション局の兄弟ピーター・マイケル。フランス語翻訳者の兄弟フィリップ・シリングス。列福・列聖手続き担当総申請部の兄弟J.アンジェル・ウルスレイ・M.。
新管区長
兄弟ゲルゲリ・マグヤー、カピストラン聖ヨハネ管区、ハンガリー。
兄弟ジュゼッペ・フェッラリ、エミリア-ロマーニャ「王たるキリスト」管区、イタリア(再選)。
兄弟ウォルター・ヘラス、クイントの聖フランシスコ管区、エクアドル。
兄弟ジャック・サン-イヴ、アフリカ/マダガスカルの聖フランシスコ管区。
兄弟ロベルト・フェッラリ、ロンバルディ聖カルロ・ボッロメオ管区、イタリア(3年任期)。
管区視察者
兄弟アゴスティノ・マルティニ、イタリア-ミラノの聖カルロ・ボッロメオ管区へ。
兄弟エルネスト・シェキエルカ、スロヴァキアの聖救世主管区へ。
兄弟フランチェスコ・パットン、イタリア-ヴェニスの聖アントニオ管区へ。
兄弟ピーター・ウィリアムズ、ブリュッセルの総長直轄「ノートルダム・デ・ナシオン」修道院へ。
お知らせ
小冊子「いのちの水」(A5 p40)は現在印中で、11月初旬に出る予定です。昨年出した、「地球環境の一体性」(A5 p24)も同時期に増刷されます。お入り用の方は聖ヨゼフ修道院まで連絡下さい。 いずれも1冊、100円です。
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