現代にフランシスカンであるという事:何故、誰のために、どのように−ローマ
歴史的に重要なこの現代の、神の召し出しに忠実な奉献生活は、それ自体の存続に心を奪われることはできません。それはこの世に神の現存を透き通して見せる人々を必要とします。神に惹きつけられた人々、「sine glossa」(「何の傍注も加えずに」)という言葉を受け容れる人々を必要とします。精緻な心理的・神学的釈義を通して「躓き」に当たるかもしれない影響を隠さずに、この言葉をそのままに生きる人々を必要とします・・・。それでは、召し出しの目的は何でしょうか。会則を始めとして生活プロジェクトとしてのその基準は何でしょうか。こんにち私たちは「何故、誰のために」、そして「どのように」フランシスカンであるのでしょうか。
何故奉献生活を送るのか:私たちの召命の理由を、そして、小さき兄弟として宣教に赴く地域での存在理由を自分自身に問いかけるために、私たちは奉献生活を送ります。私たちはすでに総評議会後に本会で採択された概括方針を得ています。安全の内に「閉じこもって」ただ単に管区を「救う」事に心を奪われず、再び出発し、主イエス・キリストの模範に従って命を捧げるのに必要な「新鮮さ」と勇気と鋭敏さを再発見するために、私たちは奉献生活を送ります・・・。「命を捧げる」ことは、ただ単に他の人々のために死ぬというだけではなく、特に私たちに与えられた命の美しさと豊かさを述べ伝え、それを他の人々と分かち合う「証しをする」という意味でもあります。心と魂と行ないに福音宣教を取り戻し、私たちの宣教の召命を、そのフランシスカン的在りようの中であらゆる「重し」から「解き放つ」ために、私たちは奉献生活を送ります。兄弟であり、小さき者であり、旅人である中での福音生活の証し・・・私たちの寛容さや創造性、特に私たちの「存在意義」を閉じ込めてしまう「固定的な」歴史からこうしたものを「解放する」ために、そしてそれを私たちから遥か遠く全ての大陸に生きる人々に向かって広く開け放すために、私たちは奉献生活を送ります。
誰のために?寛容さを倣いたいと思う現代の人々のために。真の霊的体験と評価の基準を渇望する現代の人々のために。あらゆる形の自発的作業に用意ができている人々のために。掛け替えのない空間と自身の存在に与えるべき意味を探し求めている人々のために。道に迷い孤立している人々のために。不正と暴力と分断に満ち平和の無い世界に生きる人々のために。「神無く」常に世俗化された世界に生きる人々のために。希望なく、迷信やその他の形のいわゆる「宗教的なもの」に陥る危険のある男性女性の只中で生きる人々のために。あらゆる「超絶的存在」を渇望しながらも個人としての信仰を得られない人々のために。こうした人々のために、私たちはフランシスカンであります。
どのようにして:静かに、耳を傾け、祈るという姿勢をとる事によって。私たちの今の在りようと、かく在りたいと願うものとの「ビジョン」を統合する事によって。帰属意識を強める事によって。私たちの生活の様式を有意義にする事によって。神と人々の期待に背かない事によって。聖福音の典型である「遠く外に向かって出て行く」あの遠心的姿勢を通して、遥か彼方にいる人々に会いにゆく事によって。奉献生活に固有の形に一致して「危険を冒す」事によって。
(兄弟ジャコモ・ビニ:「新管区長に向けて」)
ドミニコ会30年ぶりにグロッタフェラッタを離れる−イタリア
グロッタフェラッタの聖ボナヴェントゥラ大学におけるドメニコ会(OP)(1973-2003)のレオニナ研究団の、30年間にわたる存在の終了に際し、2003年1月30日歴史的に大きな意味を持つ送別会がドメニコ会修道士のために開かれました。本会総長の兄弟ジャコモ・ビニ、副総長の兄弟ステファノ・オッテンブライト、総理事及び総代理の兄弟アントニオ・リッチオが、小さき兄弟会を代表して出席しました。又、OP総会長のカルロス・A・アズピロス・コスタ士、同会学問補佐のウォイチェク・ギェルティク士、同会のベノイト・ベルテロット士とアドリアノ・スタンベ士が、ドメニコ会の代表として出席しました。
同大院長の兄弟ロマン・メイヨーが友情をこめて出席者たちを出迎えました。又、聖ボナヴェントゥラ国際大学の中枢におけるクアラッキの編集者たちとレオニナ研究団との学究的な協働を記録に残すため、全員で写真を撮りました。レオニナ研究団団長のアドリアノ・オリヴァ士は、グロッタフェラッタにおけるドメニコ会の30年にわたる存在の輪郭を簡潔に辿りながら、学問界におけるクアラッキの編集者たちの作業の偉大な功績を強調しました。そして研究団がパリに移った後もその友情や協働は少しも変わらないと述べました。
ブリュッセルに諸宗教委員会誕生−ベルギー
ベルギー在住のキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒の諸宗教委員会が、「国の聖母」兄弟共同体の中に設立されました。創始グループの構成員は、モロッコとトルコの共同体のイスラム教徒5人と、キリスト教からフランシスカン2人(シスター・ハイル・ヴァントムFMMと兄弟ヴィンチェンゾ・ブロカネッリOFM)、ユダヤ教徒は1人でブリュッセル衆議会名誉会長です。
このグループは諸宗教委員会事務局として設立されました。本部はフランシスカンの所在地に据えられています。委員会の目的は、「人種・性別・肌の色・思想・宗教に基づく差別無しに、全人類の間に相互の尊敬・人間の尊厳・思いやり・連帯・兄弟性の価値を広めるために働く」という事です。委員会は、対立を解決する手段として暴力や戦争に頼る事を糾弾しています。そして実際にベルギー内の様々な信仰共同体の間の和解と平和と調和のために働いています。
フランシスカン聖書研究所が現代語訳聖書を完成−日本
東京フランシスコ会聖書研究所は、50年間に及ぶ作業の結果、全聖書の現代日本語訳を完成させました。兄弟ベルナルディン・シュナイダーはこの企画の中心人物でした。兄弟ベルナルディンはアメリカのシンシナティ出身で1952年に東京に着任しました。何年もの努力の結果、同兄弟が初代所長を務めることになるフランシスコ会聖書研究所が、1956年に落成しました。第一巻の創世記が1958年末に刊行され、最終巻の預言者エレミアは2002年9月に世に出ました。現在翻訳チームは全書の翻訳を終了し、既に出版されたテクストの綿密な改訂を行なっています。兄弟ベルナルディンの三人の肉親の兄弟たち(三人ともフランシスカン)は昨年、同兄弟の東京での50年間の働きに対して記念誌「主は聖霊」(全188頁)を献呈しました。総長の兄弟ジャコモ・ビニは、日本でなされた偉業に祝賀の手紙を送り、以下のように記しています。「私は総理事会と本会の全兄弟たちの名において、この度貴兄が現代日本語版聖書の翻訳と注釈を完成されたことに喜びと感謝を表明したいと思います。この重要な作業は、聖書研究の分野における本会の偉大な伝統を示すものです」。総長は「教会に、それも特に日本の教会にこの偉大な奉仕ができた」事に対する本会の喜びを強調しています。
「キリスト者としての経験とアシジのクララの記念」会議−イタリア
アシジ神学研究所と教皇庁立聖アントニオ神学大学「中世及びフランシスカン研究」上級研究所は、来るべき聖クララ帰天750周年の記念に国際会議を企画しました。会議は2003年11月20日から22日まで、アシジの聖フランシスコのサクロ・コンベントと、聖クララの母院であるサンタ・キアラ修道院で行なわれます。計画されている論題はおおよそ以下の通りです:アシジのクララに関する研究の現状/小さき兄弟会とローマ教会との間でのクララとサン・ダミアノ/イノセント四世の会則とウルバン四世の会則/アシジのクララの会則/アシジのクララの遺言の問題/クララと小さき兄弟会/クララと現代フェミニスト運動/18世紀イタリアにおける聖女の社会的役割/オブゼルヴァンテス運動におけるクララの記念の復興。
詳細をご希望の方あるいは参加御希望の方は、アシジ神学研究所下記宛てにご連絡下さい。
Theological Institute of Assisi, Piazza San Francesco, 2. 06082 Assisi (PG). Tel. +39-075-813-061. Fax +39-075-815-421. E-mail:teologiassisi@libero.it
西アフリカのフランス語圏におけるフランシスカン家族の存在−トゴ
西アフリカのフランス語圏7ヶ国にフランシスカン家族が存在しています。セネガルには「マリアの宣教者フランシスコ修道会(FMM)」の管区があります。マリには無原罪の聖マリアのフランシスコ修道会、ニジェールにはFMM、ブルキナ・ファソにはSFO、カプチン、コンヴェンツァル、FMM、アシジの聖フランシスコ姉妹会があります。ベニにはOFM、カプチン、クララ会、SFO、律修第三会クララ会、カプチン聖家族のクララ会、無原罪の聖マリアの兄弟姉妹会、ピオ神父の娘たちの会、イエスの兄弟会、無原罪の聖マリアのフランシスコ修道会、神の羊飼いの母宣教者フランシスコ修道会があります。トゴにはOFM、SFO、クララ会、FMM、アシジの聖フランシスコ姉妹会、Seillonの姉妹会、フランシスカン・ユースがあります。そして象牙海岸にはOFM、カプチン、クララ会、SFO、Amigoniensの兄弟会(SFO)、フランシスカン・ユース、無原罪の御宿りのフランシスコ姉妹会、アシジの聖フランシスコ姉妹会、聖フィリベールのフランシスコ姉妹会があります。
聖フランシスコと聖クララの書き物のラテン語=ポーランド語版刊行−ポーランド
カエタン・エッサー監修による「聖フランシスコの書き物」原文校訂版の出版25周年に際し、ワルシャワにある東欧・北亜フランシスカン・センターは、アシジの二人の聖人の二言語版出版物刊行を進めてきました。それはアシジの聖フランシスコと聖クララの書き物の、ラテン語=ポーランド語版の出版です。ラテン語のテクストはフランシスカン源泉資料集から採り、ポーランド語訳は、OFMカプチンの兄弟カエタン・アンブロズキエフによるものです(全565頁、2002年クラコフ=ワルシャワにて出版)。同巻は、歴史的・評釈的見地からの序論と、テクストの分析、書き物についての全体的な説明、年表と索引などによって非常に充実したものとなっています。同巻は、ポーランドで初めての二言語版の「書き物」となります。又、クラコフの「M」編集局が計画している新たな全集「キリスト教資料集」の最初の表題ともなります。
お知らせ:世界のあちこちから
総集会に向けた総長報告は、翻訳印刷が完了し次第早速本会の兄弟全員に送付されます。
新任の管区長
オウ・サン=セオン:韓国の「韓国聖殉教者」管区。
メルヴィン・ジュリシッチ:米国のサンタ・バーバラ(カルフォルニア)管区。
総長の予定
4月14日 ローマ。第一会とTORの総長協議会会議。
4月28日−5月3日 ローマ。総理事会。
|